偶然に見た、深夜のテレビ。
『JNNドキュメンタリー ザ・フォーカス』
石巻の遠藤さんという、震災で子どもを亡くしたお父さんが出ていた。
遠藤さんは、職人さんだ。
守ってやれなくてごめん、と。
子どもたちを失ってからは、生きる意味も分からなくなっていたという。
私は、今、2児の母。
遠藤さんの気持ちが、痛いほど分かる。
… いや、分かるなんて軽々しく言っちゃいけないのかもしれない。
でも、彼がどれほど辛いのか、それは分かる気がした。
遠藤さんの気持ちを思うと、もし自分だったらと思うと、、 テレビを見ながら私は、たちまち、胸がギュッと苦しくなった。
自分の命よりも大切な子どもたち。
あの震災では、一体どれだけの人が… どれだけの大切な人たちが、離れ離れになってしまったんだろう。
そして、テイラー先生がフォーカスされていた。
小学校で英語を教えていたみたい。
アメリカ人のテイラー先生も、震災で命を亡くされてしまった。
テイラー先生のご両親が、遠藤さんに、学校に寄付する本棚を作ってくれないかと依頼したんだそう。
テイラー先生が、本が好きだったそうだ。
遠藤さんは最初は、頼まれても作る気にもなれなかったという。
でも、テイラー先生のご両親に感化されて、作ることにしたのだそうだ。
遠藤さんは今、しっかりと前を向いて生きていた。
お子さんたち3人の可愛らしいお地蔵さんがあった。
3人が並んで、少し微笑んでいる地蔵だ。
手をあわせるっていうよりも、頭をなでにくるんだという。
あぁ、ダメだ。
私、テレビを見ながら泣きそうになる。
命って、何よりも何よりも大切だ。無駄にしていい命なんていうのは、ひとつもなくて。
生きるのは、楽ばかりではないのかもしれない。
でも、生きていてほしい。
どんな人にも、生きていてほしい。
私は、この子たちを、全身全霊をかけて守りたい。
昔は、自分のことしか考えていなかった。
まぁ、これは、誰しもがそのはず。
若い頃、独身時代は、自分で精一杯だった。
自分の命が一番大切。
でも、親となった今は、自分は二の次になった。
もちろん、子どもたちのために、私自身も長生きしなきゃダメだけど。
私には、何としてでも守りたい、かけがえのない宝物ができた。
昔は、自分が満たされることばかり考えていたけど、今は違う。
自分が相手を満たすこと、与えること。
それを、いつもどこにいても、考えている。
親になるって、そういうことだと思う。
あの3・11の震災で亡くなったり行方不明になったりした人は、 1万5899人だそう。
一体どれだけの人が、悲しい想いをしてきたんだろう。
親や子、兄弟姉妹、おじいちゃんおばあちゃん、大切な家族を亡くしたり、友だちと永遠のサヨナラをすることになったり。。
悲しみは、時が経てば少しは癒えるのか?
いや、きっと、ずっと癒えることはないんじゃないかと思う。
自分の心の一部を失ってしまったんだから。。
だけど、みんな、前を向いていた。
遠藤さんも、子どもたちに恥じないようにって、そう言っていた。
きっと、どんな人でも、 自然災害には敵わない。
それは、ある日突然、幸せだった日常をぶち壊す、恐ろしいモンスターだ。
かといって、いつ来るか分からない災害に、ビクビクと怯えながら生きるのは違う気がする。
備えをしっかりして、対策をうっておかなくては。
ただ漠然と毎日を過ごすのではなく、今の、この瞬間を、この時間を、大切にして生きていきたいな。
そんなことを考えさせられた。
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